
今回は私のコレクションで特に出番の多い現行エース2本、チューダー ブラックベイ54 (m79000n-0001)(以下 BB54 )と、ロンジン レジェンドダイバー36mm (L3.374.4.50.6)(以下 LLD36 )の、オーナー目線で見た比較レビューをお届けします。
「どちらも小径ダイバーじゃん、被ってない?」と思われそうですが、いやいや、これが似て非なるもの。
キャラクターが全然違うのです。
私の腕時計ローテーションの中でも、この2本はポジションが綺麗に分かれていて、同じ小径ダイバーでもどちらかに使用が偏るということはありません。
今回は両方を所有しているオーナーだからこそ書ける、両者の違いを改めて整理していきます。
両モデルそれぞれの単体レビューは 【1年レビュー】ブラックベイ54で己の足るを知る と レジェンドダイバー36mm 2年着用レビュー にまとめているので、よろしければ参考にどうぞ。
主要スペック比較|
| 項目 | BB54(M79000N) | LLD36(L3.374) |
|---|---|---|
| ケース径 | 37mm | 36mm |
| 厚さ | 11.24mm | 11.9mm |
| ラグからラグの長さ | 46mm | 44.5mm |
| ラグ幅 | 20mm | 19mm |
| 防水性能 | 200m | 300m |
| ムーブメント | MT5400(自社、COSC認定、約70h PR、シリコン製ヒゲゼンマイ) | L592.5(約45h PR) |
| ベゼル | 逆回転防止ベゼル/60クリック | インナー回転ベゼル(スーパーコンプレッサー機構) |
| ケース素材 | ステンレススチール | ステンレススチール |
| リリース | 2023年(Watches & Wonders発表) | 2020年〜(36mmサイズ展開開始) |
数字だけ見ると似たようなサイズ感ですが、実際に腕に乗せると印象はずいぶん違います。
ケース径はBB54:37mm、LLD36:36mmと差は1mmですが、BB54の方ががっちりしたケースデザインのためLLD36より大きく見えます。
LLD36はラグが細くエレガント、かつ、インナー回転ベゼルでベゼルが目立たず、ブレスレットも繊細さ感じるミラネーゼブレスなので、さながらドレスウォッチのような面持ち。
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意外にも、厚みはLLD36の方が0.7mm程度だが若干厚い。
しかし、ミドルケースの厚みが薄く作られているので、見た目の印象ではLLD36の方が薄く見えます。
ドーム型風防がLLD36の方がぷっくり膨れていることも要因の一つかもしれません。
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ミドルケースの厚さはLLD36が約4mm、対するBB54は約5mm。
この1mm差は着用時の印象に大きな影響を与えますね。


装着感|
BB54は、37mmという現代的には小径の部類。
ですが、ロレックス同様、オイスターケースのがっしりしたケースデザインによって、ダイバーズウォッチらしくしっかりと存在感は出してくれます。
ただし、ケース厚11mm強、重さも実測で約125gとダイバーズとしては薄く軽い作りのため、日常使いで使いやすい絶妙なバランスを持った時計です。
また、T-fitクイックアジャストクラスプによって、ブレスレットの長さを微調整できるギミックが搭載されていて、1日のうちの腕の太さの小さな変化にも対応可能です。
この機能は想像以上に便利。
対してLLD36は、ケース径36mm・ラグからラグの長さは44.5mm。
ほんの1mm差のはずなのに、こちらは「軽やかで華奢な顔つき」が明確に出ます。
数値以上に小さく見えて、手首の内側にきれいに収まってくれるので、シャツの袖口への収まりも実に上品。
小さめの腕時計を探している細腕の男性はもちろん、パートナーとシェアするのにも無理がありません。
我が家も妻が時々使用しています。
デザインの方向性|「正統派ダイバーズ顔」と「ダイバーズ顔をしていないダイバーズ」

BB54は、1954年登場のチューダー最初期のダイバーズウォッチであるリファレンス7922をオマージュした復刻モデル。
リューズガードがなくスッキリしたケースライン、クリーム色のヴィンテージ風夜光、シャープな針、そしてロリポップ秒針。
モダンにリファインされてはいるものの、「正統派ダイバーズウォッチ」の代表格と言っていいでしょう。
詳しいデザインディテールは ブラックベイ54 購入レビュー で写真多めに紹介しているのでご参照ください。

一方のLLD36も、1959年発表のロンジンのダイバーズウォッチを丁寧に復刻したヴィンテージダイバー。
インナー回転ベゼルにぷっくりとしたドーム型風防、丁寧に作り込まれたミラネーゼブレス、細く長めのラグなどにより、「上品なヴィンテージウォッチ」といった面持ちです。
まさかこれで300m潜れるなんて、時計に詳しくない方はまず考えないでしょうね。
また、ケースは全面ポリッシュ加工で、文字盤もブラックラッカー仕上げで全身キラキラ。
ツールウォッチには似つかわしくない煌びやかさも実は何気に兼ね備えている。
この“ダイバーズウォッチらしくない感”こそが、LLD36最大の魅力だと私は思っています。
開封時の印象は レジェンドダイバー36mm 開封レビュー に詳しく書いています。
ウォッチケースに並べて眺めると、同じ“小径ダイバー”なのに全く別物に見えるのが、何度見ても面白いところです。
使用シーン|共にオンオフ兼用だが、アクティブ枠と、キレイめ枠で区別
BB54、LLD36 ともに、悪目立ちしないデザインと使いやすいサイズ感からオンオフ兼用で使っています。
ですが、個人的な気分としてはけっこう明確に使い分けています。

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BB54は「アクティブ×カジュアル」の時計として主に使っています。
休日の外出、旅行、ちょっとアウトドア寄りのシーン。仕事だったら外出の多い日や出張だったり。
200m防水とCOSC認定ムーブの安心感があるので、気兼ねなくガシガシ使える頼もしさも◎。
私は私服はワーク系のアメカジが好きなのですが、BB54はバッチリハマります。
Tシャツやデニムとの相性も抜群。
また、小ぶりなサイズと薄さでスーツやシャツの袖口への干渉もなく、ギラギラ感もないのでビジネスシーンでの着用も問題なし。
Uncle Strapsの5連ブレスに交換すると、少し煌びやかさが加わるとともに、カジュアル感も少し弱まります。
1年レビューでも書きましたが、気づけばコレクションの中で一番出番が多い一本になっています。
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対するLLD36は、仕事の日や、私服でもちょっと品よく決めたい日のレギュラー。
ダイバーズウォッチらしからず、ジャケットの袖口におとなしく収まり、適度にキラキラしているのでドレスシャツにもしっかり合う。
ロンジンならではの上品なエレガンスさも、ビジネスシーンには使いやすいです。
一方で、ただ上品にまとまってるだけではない。
文字盤デザインにそこはかとなくミリタリー感を感じるですよね。
6、9、12時のアラビア数字とインナー回転ベゼルの▽なんかもツール感あり男心くすぐるポイント。
スペックはダイバーズウォッチで300m防水というガチ防水機能も備えているので、たとえゲリラ豪雨に襲われても気にせず使えて使い勝手も文句なし。
ドレスウォッチほど華奢ではなく、本格ダイバーズのゴツい主張はない。
この絶妙な塩梅が、2年以上使ってもヘビーユーズできる大きな理由かもしれません。
ドレスダイバーズという表現がしっくりくる感じ、他モデルにはない稀有な存在ですね。
私服の時も少しキレイめな服装に合わせることが多いです。
個人的にはリネンシャツとの組み合わせが好きなコーディネートです。
仕上げとムーブメント
仕上げとムーブメントの総合点は、率直に言うとBB54に軍配が上がります。
まぁ、値段がBB54:¥654,500、LLD36:¥388,300(ともに2026/5/9時点)と差があるので当たり前と言えば当たり前ですが・・・
BB54は自社製COSCムーブのMT5400、70時間のパワーリザーブ、耐磁性も高いシリコン製ヒゲゼンマイ、サテン仕上げとポリッシュ仕上げを使い分けられたケース面取りやブレスの作り込み。
チューダー×最新世代だけあって、スペックの高さをはっきり感じます。
ただしLLD36が負けているかというと、全くそんなことはありません。
スーパーコンプレッサーケースというロマン要素、インナー回転ベゼル、ドーム風防、ヴィンテージ復刻の造形美。
同価格帯ダイバーの中では、むしろ個性と物語性で頭ひとつ抜けています。
唯一無二のアイコニックなデザインは最大の魅力。
オシャレさで言えば、レジェンドダイバーの方がブラックベイより高いと思います。
「質感と実力で選ぶならBB54」「ロマンと個性で選ぶならLLD36」。
どちらも、持っていてニヤニヤできる一本であることに変わりはありません。
こんな人におすすめ|手首サイズ・用途・デザイン・ファッション軸
手首サイズで選ぶなら
どちらのモデルもコンパクトなケース径で、ラグからラグの長さも長くないので腕の細めな男性にも使いやすいです。
どちらも女性にも使いやすいサイズ感なので、奥様や彼女とシェアするのも楽しいかも。
強いて手首サイズを具体的に挙げるのであれば、個人的には以下が目安かなと思います。
- 手首周り16〜17cm前後:BB54
- 手首周り14〜16cm前後:LLD36
ちなみに私は16.5cm弱です。
ただ、前腕と二の腕は筋肉多めで一般的には太い部類に入るので、妻曰く、全体的に見るとLLD36はけっこう小ぶりに見えるようです。
ご自身の体型も踏まえて全体のバランスで選ぶのが良いかと思います。
用途で選ぶなら
- アクティブ・スポーツ・旅行 → BB54
- ビジネス・ドレッシー・キレイめカジュアル → LLD36
デザインの好みで選ぶなら
- モダンに整えられた正統派ダイバーズが好き → BB54
- ヴィンテージウォッチやドレスウォッチのような佇まいが好き → LLD36
似合うファッションで選ぶなら
ここが今回いちばん悩ましく、そして楽しいポイントかもしれません。
もちろんファッションに正解はないし、外しとして使用する場合もあるので、あくまで一般的なイメージと捉えてください。
- アメカジ・ワーク・ミリタリー系(デニム、チノ、ネルシャツ、M-65、スウェット、ワークブーツ等):
質実剛健な雰囲気のBB54。ブレスでもラバーでも、タフな服にきっちり食らいついてくれます。 - きれいめカジュアル(オックスフォードシャツ、チノ、ローファー、バンドカラーシャツ等):
どちらもハマりますが、エレガンスさとクラシック感でLLD36に軍配。 - ドレス・ビジネス寄り(スーツ、ジャケパン、ドレスシャツ、革靴等):
品の良さからLLD36。コンパクトなスーパーコンプレッサーケース、回転ベゼルが目立たないインナーベゼルであるのがカジュアル感を軽減してくれます。全面ポリッシュの煌めきが袖口から見えるのもカッコいい。 - ヴィンテージ古着・レトロ系(古着、モッズ等):
渋みの強いBB54。ヴィンテージ感満載のディティールがバッチリ合うかなと。
クリーム色の夜行塗料やギルト加工されたインデックスや針、アルマイト加工された回転ベゼルなど、「キラキラ感がない」渋さが古着などとの全体的なトーンのバランスが取れるかなと。 - モードなモノトーン・ミニマル系:
意外にBB54が強いジャンルかも。無機質な服装に、ギルト加工されたゴールド色のインデックスや針がよいアクセントとして効きそう。
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よくある質問(FAQ)
Q1. ブラックベイ54とレジェンドダイバー36mmはどちらが小さく感じますか?
数値上はケース径1mm差(BB54=37mm、LLD36=36mm)ですが、体感ではLLD36のほうがもっと小さく・軽やかに感じます。
LLD36はラグ間も19mmと1ミリ細く、ラグ自体も細く長いためエレガントな見た目で、インナーベゼルの視覚効果もあり、数値以上の印象差が出ます。
Q2. 初めての機械式ダイバーならどちらがおすすめ?
信頼性と長期所有を重視するなら、自社COSCムーブを積むBB54。
個性・ヴィンテージ感・ドレッシーに寄せたいならLLD36です。
迷ったら「どんな服と合わせたいか」で決めると外さないかと思います。
Q3. 手首が細い(14〜15cm)場合はどちらを選ぶべき?
収まりの良さならLLD36を推します。ラグからラグが44.5mmで手首の内側までしっかり収まります。
BB54でも着用自体は問題ありませんが、デザイン的にも存在感は強めに出ます。
Q4. 防水性能の違いは?
BB54は200m防水、LLD36は300m防水。
どちらも普段使いではオーバースペックで、雨の日はもちろん、水泳・シュノーケリングなどマリンスポーツでも問題なく使えます。
Q5. 価格帯の違いは?
販売価格は、BB54:¥654,500、LLD36:¥388,300(ともに2026/5/9時点)
BB54の方がワンランク上の価格帯になりますね。
LLD36は日常使いから踏み込みやすい価格設定で、クラシカルで個性的なデザインも含めて価格以上の満足度があります。
最新の実勢価格は各ブランド公式や正規店でご確認ください。
まとめ|この二本持ち、やっぱり後悔なし
改めて比較してみると、BB54とLLD36は「どちらも小径ダイバーズウォッチ」という共通点こそあれど、意外と異なるキャラクターと思ってます。
BB54は、現代的にリファインされた頼もしい相棒。LLD36は、時計単体でも、服との組み合わせでも物語を語ってくれる粋な一本。
もし「どちらか一本だけ選ぶなら?」と問い詰められたら、結局は「両方残します」に落ち着く自信があります。
- 正統派機械式ダイバーズウォッチながらコンパクトな時計が欲しい方 → BB54
- 他人と被らないヴィンテージ感と、個性的なデザインを楽しみたい方 → LLD36
各モデルのより詳しいレビューは、弊ブログ過去記事「ブラックベイ54 1年レビュー 」と 「レジェンドダイバー36mm 2年着用レビュー 」にまとめています。
比較で気になった方は、あわせてどうぞ。
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どちらも、間違いなく良いパートナーになってくれる一本です。迷っている方の背中を少しでも押せていれば幸いです。
(ちなみに、両方行ってしまうのも全くアリかと。経験者は語る)。

