2023年3月15日、ティソが同社のクラシックラインのアイコン的存在である「シュマン・デ・トゥレル」をリニューアルしました。
PRXでティソのを身をもって知ってしまっている身としては、「これは見に行かねば」と半ば義務感にも似た心境で、早速ブティックにお邪魔してきました。
私個人が仕事でも使えるブルー文字盤を探していることもあり、今回はシュマン・デ・トゥレルのラインナップの中でも最もクラシカルな面持ちの、ローマインデックスのクルドパリ装飾に狙いを定めて試着をさせていただくこととしました。
ファーストインプレッション
アップデート版では、ダイアルバリエーションも豊富に用意されており、仕上げの違いも3種類。ひとつは全面がサンレイ仕上げのもの、二つ目は中央部分にMOP(マザーオブパール)を使用したもの。そして3つ目が今回試着をした、中央がサンレイ仕上げ、その外周をクル・ド・パリ装飾が囲む最もクラシカルなデザインの作品。
全体的な印象として、従来のシュマン・デ・トゥレルと比較して、クラシックな佇まいやエレガントな雰囲気が強まり、高級感も増しています。私の訪れたブティックでは、アップデート版のすぐ隣に旧型の時計が並べられていたので、その差は歴然でした。
この高級感、PRXも然りですが「よくぞここまで仕上げてこの価格で売れるなぁ」と。歴史あるメーカーだからこその蓄積されたノウハウとデザインセンス、スウォッチグループの持つ技術力のコラボレーションが遺憾なく発揮された良作なのは、手にとる前からバシバシ伝わってきました。
細部の作り込み
なだらかな湾曲が美しいドーム型サファイアクリスタル風防
アップデートされたシュマン・デ・トゥレルの最も大きな変更点は、風防がドーム型サファイアクリスタルへ変更された点ではないでしょうか?
横から、斜めから見た際の風防のなだらかな曲線は、この最新版の腕時計にビンテージウォッチを彷彿とさせるクラシカルな装いを与えています。ベゼルも薄いので風防の曲線が際立ち、エレガントな雰囲気に拍車をかけています。
ダイアルのクルドパリ装飾
PRX Powermatic 80のダイアルは全面に装飾がなされていましたが、シュマン・デ・トゥレルは、中央にサンレイ仕上げ、その外周をクル・ド・パリ装飾で囲ったコンビネーション。この二種類の仕上げの使い分けがダイアルにメリハリを利かせ、見る者に単調な印象を与えません。クル・ド・パリ装飾自体もシャープな仕上がりで安っぽさはなく、加工精度の良さを感じられると思います。
サテンとポリッシュの使い分けの妙
ケースは全体的にサテン仕上げを中心となっていますが、ベゼルにはポリッシュ仕上げが施されており、立体感あるケースに仕上がっています。丸みを帯びたベゼルも全体的に柔和な雰囲気を出すのに一役買っています。
また、ブレスレットはポリッシュ仕上げとサテン仕上げが交互に織りなされ、落ち着いたデザインの中にさりげなく華やかさも感じる絶妙なデザインバランス。また、従来のシュマン・デ・トゥレルと異なり、ブレスレットの外側の両エッジ部分に面取りがなされ、ポリッシュ仕上げが施されています。細かい点ですが、この面取りによって腕時計全体に柔らかい雰囲気を与え、より一層の優美な雰囲気を与えています。
発売前にティソの公式インスタグラムでブレスレットの一部が公開されていましが、私はこのブレスレットの仕上がりを見ただけで実機を見に行くことを心に誓いました。
定価11万円そこそこの腕時計でこの高級感溢れ出るブレスレットは、これだけでも”買い”ポイントになるのではないでしょうか。
カーブした針、インデックス
ドーム型サファイアクリスタル風防、ブレスレットの両端の仕上げなど、全体的に丸みを感じるデザインのシュマン・デ・トゥレル。
風防内の針に目をやると、こちらも風防の湾曲とあわせて先端がカーブしています。更に、インデックス自体も針と同じく湾曲しています。
また、針は二面に面取りされていますが、こちらもポリッシュとサテンで仕上げが使い分けられており、細かい部分への配慮が凄まじい。
この針の形状や仕上げも旧型からアップデートされて、より高級感を与える効果が出ています。
非常に硬度の高いサファイアクリスタルのドーム型加工、針のカーブがけ、ポリッシュ・サテンの仕上げの使い分け、湾曲したインデックス、どれも相応にコストがかかる仕上げです。
公式HP上の言葉通り、「世界屈指のウォッチメイキングのエキスパートが、可能な限りの専門知識を駆使して実現」させた今回のシュマン・デ・トゥレル。ティソが気合いを入れて作り上げた意欲作なのは間違いないでしょう。
短くまとまったラグ
今回のアップデートされたシュマン・デ・トゥレルは34㎜、39㎜、42㎜の3サイズが用意されています。
どのサイズもラグが短くデザインされたケースによって、「ラグが腕からはみ出て着用しづらい」ということは比較的少ないのではないかと思われます。つまり、自分の好みを主体にサイズを選びやすく、腕が細めの方でも39㎜、42㎜も選択肢に入れられます。
また、ラグの形状も腕に沿うようにカーブがかけられているので、腕にピッタリと吸い付くような良好な装着感でした。39㎜の方は、手首幅53㎜の私の腕の湾曲にちょうどうまくラグのカーブもはまり、思わず「ピッタリなので買います」と言ってしまいそうでした(笑)
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34mmか39mmか
今回は、よりクラシックな印象を与える、ローマ数字とクル・ド・パリ装飾のモデルを試着したため、アップデート版のサイズは34㎜と39㎜の二種類。
どちらも試着した上での感想としては、私は34㎜のデザインの方により魅力を感じています。正直、欲しいです・・
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34㎜も39㎜もムーブメントは同じパワーマティック80。同じムーブメントでケース径が変わるので、以下のように微妙にデザインにも違いが出ています。
- 6時位置のローマ数字が、39㎜にはあるが34㎜にはない。
- 日付窓がアワーマーカーの円の内側か外側か。(39㎜は内側、34㎜は外側)
- 短針がアワーマーカーの目盛りに34㎜は届いているが、39㎜は若干届かず。
全体的に34㎜の方が文字盤のデザインに凝縮感があるように見受けられ、私は34㎜のデザインの方が好み。
小径になったことでデザインに締まりが生まれたと感じました。一見すると同じデザインに見えますが、39㎜と34㎜を並べて見比べると、やはり34㎜の方が私にはバランスが良く見えます。
元々、以前、旧型のこちらのデザインの時計を検討した時があるのですが、旧型は42㎜で更に大きく、またデザインに間延びした印象を持ってしまい、購入を見送ったことがありました。その私の感じた間延び感が、今回の39㎜、34㎜サイズへの小型化により払拭されたと感じています。
男性で34㎜はちょっと小さすぎるのではと思われる方も多いでしょう。
確かに、ティソとしても34㎜はレディース用としてカテゴリー分けしており、実機を見る前までは私も男性用としてはだいぶ小さく感じのかなと思っていました。
ですが、ラグ幅も18㎜あり華奢さは感じないこと、この腕時計のクラシカルなデザインを踏まえると、ビンテージウォッチのような感覚で34㎜を使うのもアリだなと今では考えを改めています。
実際、腕に乗せた印象としては特に違和感なく装着できそうで、エレガントなデザインも相まって品よくまとまると思います。
まずいですね、記事を書いていながらこの腕時計の魅力にどんどん惹きつけられている自分がいます・・本当に買ってしまいそうです・・
まとめ
今回はローマ数字とクル・ド・パリ装飾のモデルのみ試着をしましたが、新しいシュマン・デ・トゥレルは仕上げやダイアルカラー、ベルト素材で14種類のバリエーションがあります。きっとお好みのデザインが見つかるのではないでしょうか。
外装の仕上げよし、ムーブメントもティソを代表するパワーマティック80が使用され中身も申し分ない、デザインもクラシカルな意匠を携えたエレガントな面持ち。大人の日常使い時計としてはかなり充実したスペックのモデルです。
私は真剣に購入を迷い始めてしまっていますが、皆さんはいかがでしょうか?
新型シュマン・デ・トゥレル 各モデル共通スペック概要
参考:https://www.tissotwatches.com
- サイズ:34㎜、39㎜、42㎜
- 防水性:5気圧防水(50 m/165 ft)
- ケースバック:シースルーケースバック
- ケース素材:316Lステンレススチールケース(ローズゴールドPVDコーティング、ステンレススチールとローズゴールドPVDコーティングのバイカラー仕上げのモデルもあり。)
- ガラス素材:傷防止加工無反射コーティングドーム型サファイアクリスタルガラス
- ムーブメント:POWERMATIC 80.111
- パワーリザーブ:最大80時間ロングパワーリザーブ
- バックル:交換可能なクイックリリースブレスレット, プッシュボタン付バタフライクラスプ