毎年スイス・ジュネーブで開催されるWatches & Wonders。有名腕時計メーカーが新作発表を行うこの展示会、今年は3月27日から開催されていましたが、そこでチューダーが「Black Bay 54」という新商品を発表しました。
3月27日にWatches & Wondersのウェブサイトでその姿を見た瞬間、完全にノックアウトされた私。これは実機を見にゃならんということで、近所のチューダーブティックへお邪魔し、新しいブラックベイ54を試着させてもらいました。
簡単ですがレポートさせていただきます。
メーカーHPや宣伝用の加工された写真ではなく、無加工の写真を掲載しますので、実機の見た目のリアルな雰囲気を感じ取っていただければ幸いです!
【追記:先日、ブラックベイ54を購入しました。購入レビューもぜひご参照ください↓】
コンパクトなサイズ感
まず特筆すべきはそのサイズでしょう。ケース径37㎜。ラグからラグの縦径は46㎜、厚みは11.24㎜とのこと。ダイバーズウォッチとしては非常にコンパクトなサイズに収められています。このブラックベイ54は、チューダーのファーストダイバーズウォッチ「オイスター プリンス サブマリーナー Ref. 7922」を忠実に再現した復刻モデル。当時のサイズをそのままに現代に蘇らせた形です。
この37㎜のサイズ感、約16cmの手首周りの私にとっては本当に切望していたサイズでした。
手首が細い人間にとって、やはり40㎜を超えるケースは大きいことは間違いなく、そのサイズを持て余すこともしばしば。日常的にストレスなく使えるダイバーズウォッチは選択肢が限られるのが現実かと思います。(大型サイズを着用する楽しみはもちろんあります)
私個人としては、ロンジンのレジェンドダイバー36㎜を所有しているのですが、その購入背景としては小ぶりなダイバーズが欲しかったから。やはり高い防水性・堅牢性を誇るダイバーズウォッチはスペックも高いので、ストレスのないサイズ感だと日常使いに最適です。ただ、レジェンドダイバーはインナー回転ベゼルやデザイン意匠からレトロ感が強く押し出されており、いわゆる”ダイバーズっぽさ”があまりありません。その点、このブラックベイ54はサイズよし、デザインも正当なダイバーズウォッチのデザインコードを用いられていて◎。
また、11.24㎜の薄さも装着感の向上に多大な貢献をしていること間違いなしです。
11.24㎜の時点で薄いのですが、ドーム型サファイアクリスタルを含んでのこの厚みです。実際に手に取り、着用してみると驚くほど厚みが抑えられている印象を持ちました。この厚みであればワイシャツの袖口に干渉することなく、ビジネスの場でも十分に活躍してくれる腕時計になるのではないでしょうか?
回転ベゼルのあるダイバーズウォッチで37㎜というと、男性向けとしては小ぶりすぎるのではと思っていましたが杞憂に終わりました。ラグ幅も20㎜ありケース形状もしっかりとしているので、コンパクトながら存在感を発揮する腕時計だと思います。
確固たる歴史背景をもつデザイン
ブラックベイ54は、チューダー初のダイバーズウォッチ「Ref. 7922」の発売年である1954年にちなんで名付けられています。7922は、ねじ込み式ケースバックとリュウズ、夜光塗料付きの大型のアワーマーカーと針、5分単位の目盛りが付いた両方向回転ベゼルが特徴でした。当時の防水性能は100m。
一方のブラックベイ54は、この7922の意匠を受け継ぎつつ、現代の技術で各所にアップデートがなされています。
回転ベゼルは逆回転防止の60クリック。ベゼルの分目盛りがないので、すっきりとした印象で落ち着いた印象を与えます。欲を言えば120クリック欲しかったところですが、ダイバーでもない私が回転ベゼルを使用するのは、料理中に煮込み時間を確認する時くらいなもの。実用性としては全く問題ないポイントです。
ノンデイトで分目盛りのないベゼルを持つことで左右対称のデザインとなり、個人的には大好きな面構えの腕時計です。
風防はドーム型サファイアクリスタル。横から見るとぷっくりとした曲線を描く風防の縁部分はビンテージ感もありとても素敵でした。
針については、7922はチューダーの兄弟ブランドであるロレックスのサブマリーナと同様にベンツ針が採用されていましたが、54はチューダーのアイコンとなっている通称イカ針を採用。秒針はオリジナルの7922同様のロリポップ秒針。クリーム色のルミノバ、ゴールド色の針がブラックの文字盤によく映え、ビンテージ感満載の腕時計に仕上がっています。
なお、防水性については200m防水、オリジナルの7922からアップデートされているのはもちろんのこと、この小型サイズでしっかりと200m防水を実現できるチューダーの技術力はすごいですね。
また、バックルは「T-Fitクイックアジャストクラスプ」を採用。1.6㎜×5段階で8㎜のブレスレットの長さ調整が可能です。これは確実に重宝する機能ですね。
全体的にはサテン仕上げでツールウォッチ然とした面構えですが、ケースエッジやブレスレットのエッジなどにポリッシュ仕上げが施されているので、立体感と高級感はしっかり確保されています。
ムーブメント
ムーブメントはマニュファクチュール キャリバー MT5400。ペラゴス39にも使用されているノンデイト用のムーブメントとなります。
振動数は2万8800振動/時。COSC認定を受けて精度は折紙付き。パワーリザーブも70時間あり、週末を挟んでも時計が止まらないのは嬉しいポイントですね。
まとめ
39㎜径のブラックベイ58やペラゴス39の成功、ビンテージ回帰の昨今のトレンド背景を考えると、37㎜のブラックベイ54が発表されたのは理にかなった流れなのかもしれません。37㎜のサイズ感は絶妙で、男女問わず着用できるサイズであるとともに、そのビンテージライクなデザインから、腕の太い方が着用しても違和感なくしっかりと様になると思います。
その上、ムーブメントや防水性、バックルの微調整機能など、現代の技術力によるハイスペックな実用性も兼ね備えているので、日常使いとしては非常に使いやすい一本になるのは間違いないでしょう。
私は、めちゃくちゃ欲しくなりました。すでに色々と電卓で計算を始めてしまっている自分がいます。
買っちゃうかな・・ダイバーズばっかり増えてしまいます・・・
【購入レビューもあわせてご参照ください!↓】