腕時計レビュー

【新作】ロンジン レジェンドダイバー39 mm レビュー

2023年12月1日

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ロンジン レジェンドダイバー39 レビュー
左(黒)Ref: L3.764.4.50.6、 右(青)Ref: L3.764.4.90.6 

スイスの名門腕時計ブランド ロンジンが、同社の人気モデルであるレジェンドダイバーシリーズに、ファン垂涎のケース径39mm・ノンデイトの新作を投入してきました。

すでに36mmのレジェンドダイバーを所有している私ですが、36mmを購入時も願わくばノンデイトモデルであればなお良しと思っていたので、新作のレジェンドダイバーは非常に気になるモデル。


「実機を見て欲しくなったらどうしよう」、「手持ちの36mmへの愛着が薄れたらどうしよう」と、一抹の不安を感じながらも実機を見にロンジンのブティックに足を伸ばしてみました。

旧作の42mm、36mmを持っている方、レジェンドダイバー39 mmに興味をお持ちの方、いずれの場合でもご参考になるかと思いますので、最後までお付き合いいただければ幸いです。

基本的な外観・デザインは従来のレジェンドダイバーと同様

基本的なデザインは、これまでのレジェンドダイバーと同じ。
回転インナーベゼルを有するスーパーコンプレッサースタイルのケースは、旧作から変わらずロンジンのレジェンドダイバーだと一目でわかるアイコニックなデザインです。

ロンジン レジェンドダイバー 39mm 黒
基本的なデザインは旧作と変わらず。
ロンジン レジェンドダイバー36mm 比較
こちらは36mm

新モデルが旧作と変わった点は主に以下となります。

39mmモデルのデザイン変更点

  • ノンデイトへ変更
  • ブレスレットがミラネーゼブレスレットからライスブレスレットに変更。
    (他、レザーベルトや、日本未発売だがナトーベルトも追加された)
  • 針の形状、夜光塗料スーパールミノバの面積が変更
  • リューズの形状が少し変わった

まず、従来の42mm、36mmモデルはデイト表示がありましたが、新作の39mmはノンデイト
ノンデイトへの変更は私個人としては非常に好感度高いポイントでした。デイト窓がなくなることで、文字盤デザインが左右対称となりバランスがよい。また、インデックスのアラビア数字のフォントがレトロな雰囲気で可愛いんですよね。それが従来の6、9、12に加え3も追加されるのは愛らしさアップの萌えポイントになるかと思います。

ブレスレットにも大きな変更が。
従来のメタルブレスレットはミラネーゼブレスでしたが、39mmの新作はライスブレスレットに変更されました。ミラネーゼブレスとは一味違った雰囲気ですが、ライスブレスレットも非常にクラシカルな印象を与えるブレスレット。レジェンドダイバーのケースデザインによくマッチしていますね。

ロンジン レジェンドダイバー39mm ブレスレット
ライスブレスレットに変更

針の形状も短針・長身・秒針と全て太く変更され、視認性が高まりました。
太くなった針に合わせるように、スーパールミノバの塗布面積も増えており、暗所での視認性の確保も旧作以上です。秒針は従来は非常にシンプルで細いバータイプでしたが、新作は先端に夜光も塗布されたスペード状の針に変更されています。

仕上げの洗練度・高級感はUP

従来のモデルに比べ、新作のレジェンドダイバー39 mmは全体的に洗練度が増し、高級感も向上しています。

ケース

まず今回の1番の目玉である新サイズ39mmのケースについて。
従来の42mm、36mmの2サイズ展開のちょうど中間サイズとなる39mm径は、昨今の腕時計の小型化、ビンテージ回帰の潮流から多くの人に受け入れられやすいサイズ展開となるのではないでしょうか。

ケース径自体の変更もさることながら、ラグのデザインが短く変更されたことで、ラグトゥラグの縦の長さが42mm径と比べだいぶ短く変更となりました。具体的には42mmモデルがラグからラグで52.4mm、一方の39mmモデルは47mmと、約10%短くなっています。ケース径自体は約7.2%の縮小なので、いかにラグが短く変更されたかわかるかと思います。
従来の42モデルではサイズ的に大きく感じていた方にとっては、非常に嬉しい変更点になるのではないでしょうか。



ケースの厚みは、既存の42mmと同じ12.7mm
私の所有する36mmモデルは厚みが11.9mmなので、39mmを腕に乗せた瞬間は”意外と厚いな”と感じました。ボックス型のサファイアクリスタルケースの厚みは恐らくあまり差はないと思うので、ミドルケースの厚みが増したように感じます。

ロンジン レジェンドダイバー39mm ケース厚み
ケース厚については42mmモデルと同じ12.7mm。
ロンジン レジェンドダイバー36mm 厚み
こちらは36mmモデルの側面。11.9mm厚。

仕上げについても、従来のモデルは全面ポリッシュ仕上げでしたが、39mmはポリッシュ仕上げとサテン仕上げが交互に施され、立体感・高級感が増したケースに仕上がっています。

文字盤

文字盤は前述の通り、ノンデイトへの変更に伴いシンメトリーな見た目に。デザインバランスは良くなったと感じました。

インデックスに目を向けると、従来はペイントだったため立体感はありませんでしたが、39mmは微妙にアップライドされたインデックスになりました。立体感が出る改良点ですね。
また、インデックスの色味も変更されています。従来モデルでは、経年変化により変色した色味を再現したクリーム色のインデックスでしたが、39mmでは白に変更されています。見た目の洗練度は上がり、どこかパリッとした雰囲気の腕時計に仕上がっています

スーパールミノバの塗布位置、面積も増えました。従来は短針の先端部、長針、アラビア数字強調用の長方形部分のみにスーパールミノバが使用されていました。一方の39mmでは、5分おきのインデックス及び3・6・9・12のアラビア数字、数字横の長方形が暗闇でも発光し、暗所での視認性もグッと高まりました。

文字盤の仕上げはラッカー仕上げ。定番のブラックに加え、39mmではブルーラッカー仕上げの新しいカラー展開も
公式HPで見た限りはもっとダークネイビーに近い色合いかと思いましたが、実物は思った以上に明るめのブルーでした

ロンジン レジェンドダイバー39mm ブルー
ブルーラッカーの文字盤

ブレスレット

前述のように、金属ブレスレットは、従来のミラネーゼ(メッシュ)ブレスレットからライスブレスレットに変更となりました。非常にしなやかで心地よい装着感でした。
外側二つの大きめのコマがサテン仕上げ、中央の5連のコマはポリッシュ仕上げとなっています。

また、ケースと接合するエンドリンクが、従来のミラネーゼブレスのモデルは直カンでしたが、39mmは弓カンに変更されています。工作精度も高くピッタリとはまっています。

従来モデルはラグや6時・12側のケース側面がよく見える直カンタイプの接合部だったので、見た目の印象は結構変わりますね。従来モデルの方が、よりクラシカルでエレガントな雰囲気で、新作は少しスポーティに寄っている感じがしました。

ロンジン レジェンドダイバー 39mm ブレスレット
ライスブレスレットとなり、弓カンによりケースとブレスレットの間に隙間がなくなった


クラスプの形状も変わりました。
新型はよりスポーティさと高級感が増したデザインです。ダブルセーフティ フォールディングクラスプとなりました。
(従来はトリプルセーフティ フォールディングクラスプ)


一点、残念なのは旧作のブレスレットのクラスプにはペルラージュ仕上げが施されており、個人的に大のお気に入りポイントでしたが、39mmのクラスプにはペルラージュは施されていませんでした。

ロンジン レジェンドダイバー ペルラージュ加工
旧作にはクラスプにペルラージュ仕上げが施されていた

C.O.S.C認証取得のハイスペックムーブメント

ムーブメントは耐磁性とシリコン製ヒゲゼンマイを備えた、ロンジン独自のL888.6 キャリバー。パワーリザーブは42mmと同じく約72時間です。ロンジンと同じくスウォッチグループ傘下のETA社がロンジン専用に製造しているムーブメントになります。

42mmのムーブメントもL888ですが、39mmの特筆すべき点はCOSC(スイス公式検定協会)クロノメーター認定を取得していること。クロノメーター検定ですので、平均日差-4秒から+6秒以内に収まっています。
文句なく高精度で非の打ちどころもないのではないでしょうか。

なお、レジェンドダイバー39はISO6425準拠のダイバーズウォッチです。

進化とともに失ったものも・・(個人的な好みの問題)

レジェンドダイバー39mmがリリースされ、私が初めてその姿を見たのはロンジン公式のインスタグラムでした。見た瞬間、「やられた・・」と思いましたね。
デザインも洗練され、より高級感を増したその姿にまずやられ、私が36mmモデルに求めていたノンデイト・ロンングパワーリザーブを兼ね備えていると知り、完全にノックアウト状態でした。「完璧じゃん・・」と思ったのです。「36mmを手離して39mmに乗り換えるか・・」とも考え始める始末。
そんなこんなでいてもたってもいられず、お店に実機を見に行ったのです。

ですが、いざ実機を手に取って具に眺めてみると、それまでの熱がスーッと引いていくのを感じてしまいました。
自分でも不思議だったのですが、数日理由を考えて結論に至りました。この冷静になってしまった原因は「私がレジェンドダイバーに求めていた要素が薄れた」からです。



私がレジェンドダイバーに求めていたこと、それは、「未洗練な部分があるからこその暖かみや抜け感」と「現代の腕時計デザインにはない色気」

正直、従来の36mmモデルや42mmモデルを見ても、あまり高級感を感じることはありませんし、実用面でも現代ではこれといって秀でている部分はありません。文字盤を見ても、針はペラッとしていて少々安っぽいし、ルミノバも少なく暗所での視認性は良くないです。秒針なんかとても細くて髪の毛のよう。

しかし、洗練さや機能性が現代の腕時計に劣るにも関わらず、それでもレジェンドダイバーに惹かれたのは、要改善点も含めて60年代を感じられるデザインであり、60年代当時に思いを馳せるノスタルジーを感じられたからなんです。

旧作のインデックスのクリーム色は、フォティーナ(faux: 偽物とpatina: 経年変化を合わせた造語)ではあるものの、暖かみを感じる好きなポイントだったのですよ。それがスーパルミノバがバッチリ使われた真っ白な太い針になると、個人的には”ちょっと好みと違う”んですよね。「当時のダイバーが、実際に海中の相棒として使った腕時計と同じデザインを身につけている・・」そんなロマンを感じたいのです。

チューダーのブラックベイ54やオリエントのカマスなどが好きな私は、きっとヴィンテージ感の強い腕時計が大好きなんだと思います。

また、旧作の細くて長いラグも色気を感じる大好きな部分。私の手首には42mmのラグトゥラグは長すぎて36mmを購入しましたが、ラグの形状はやはり細長く、ブレスレットにかけての流線的なくびれが美しいのです。ブレスレットとの接合部も直カンなので、より一層ラグのキレイな形状が引き立って見えます。ダイバーズでありながら、往年のドレスウォッチのような可憐なエレガントさを持つ点も、レジェンドダイバーの魅力の一つと思っています。

そういう意味では、新作の39mmではラグが短くされたことで色気は抑えられたかなと。弓カンとなりラグの形も目立たなくなり、全体的にスポーティなルックスに寄っていった印象を持ちました。

レジェンドダイバー 36mm ラグ
36mmのラグ周り。このラグと直カンが好きなんです。



こうした私にとって細かくも大切な萌えポイントが、新作からは取り除かれていたのです
全体的にパリッとした仕上がりで、隙がなくなり優等生的になったというか。どれも細かいところなのですが、どうも気になってしまうのです。不便なところや至らぬ点なども”味”として楽しめていたレジェンドダイバーがいなくなっちゃった・・、とちょっと寂しい気持ちも入り混じる複雑な気持ち。(旧作もディスコンになったわけではありませんが・・)

一般的に見れば上記は全て実用上の改良なのですが、私にとっては改悪、とまでは言わなくとも、変えなくてよかったかなというポイントでした。

もちろん、デザインの基本的な部分は同じですし、実用上のスペックとしては随所に改良が施されているので、39mmは非常に洗練された腕時計であることは間違いありません。完全に私個人の好みの問題なので、購入をご検討の方は実際に新作・旧作ともに手に取ってみて、ご自身の琴線に触れる方を選ばれるのが一番かと思います。

レジェンドダイバー39 まとめ

レジェンドダイバー39mmの新作は、ファンが熱望したノンデイトを復活させ、パワーリザーブや夜光の強化、ラグトゥラグの短縮など随所に改良がなされたロンジンの新たな傑作です。人気が出るのは間違いないのではないでしょか。

一方で、私のようなヴィンテージ感を感じる意匠が好きな方には、少々スポーティさが増して洗練された39mmには食指が伸びないかもしれません。ここは好みの問題なので正解はありませんので、ぜひ実機を見てご自身で感じるものに従っていただければと思います。

繰り返しになりますが、スペックや全体的なデザイン・仕上げは非常に完成度高く仕上がっていると思います。間違いのない逸品なので、ぜひ多くの方に実機を手に取ってみてもらえればと思います。

主なスペック

  • 素材:ステンレススティール
  • ガラススクラッチレジスタント サファイヤクリスタル、両面に複層無反射コーティング
  • ケースバック:ねじ込み式
  • サイズ:39.00 mm
  • ラグ幅:20 mm
  • 厚さ:12.70 mm
  • 防水:30気圧防水
  • 特徴内側にダイビング用回転フランジ, ねじ込み式リューズ
  • 重量:
  • キャリバーL888
  • 自動巻メカニカルムーブメント:25,200振動/時、モノクリスタルシリコン製ヒゲゼンマイ、パワーリザーブ約72時間
  • クロノメーター認証
  • 140.4 g

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