腕時計レビュー

【限定】オリス アクイス ダットワットリミテッドエディションII 試着レビュー【グリーン】

本サイトはアフィリエイト広告プログラムを利用しています。

ダットワットリミテッドエディションII 試着
Ref: 01 743 7734 4197-Set

個人的に気になっているスイスの腕時計ブランド、オリス。
スイスメイドに誇りを持ち生産する全ての腕時計はスイス製で、真摯な企業姿勢と高い技術力で高品質な腕時計を輩出し続けています。しかも、品質に比してその価格設定は非常に良心的。グループに属さない独立企業のため自社のこだわりを追求可能で、ユニークな作品が多いのも魅力です。

そんなオリスのコレクションでも、特に人気なダイバーズウォッチラインの”アクイス”。
今回はアクイスコレクションから、2009本限定の”ダットワットリミテッドエディションII”を試着してきたのでレビューをしたいと思います。

最近、セイコーのSBEJ009やオリエントスターのダイバー1964のグリーンを立て続けに見たせいか、グリーンダイアルの腕時計が気になっている自分がいます。

  • オリスの腕時計が気になっている
  • 知る人ぞ知るブランドが好き
  • 無骨すぎないダイバーズウォッチが好き
  • 一味違うグリーンダイアルに興味がある
  • 環境活動に貢献するブランドを応援したい

上記のような皆さまには興味を持っていただける一本かと思います。どうぞ最後までお付き合いください。

ダットワットとは?

アクイス ダットワットリミテッドエディションIIという名前を見て、「ダットワット」とはなんぞや?と思われる方も多いのではないでしょうか?

ダットワット(Dat Watt)とは、ドイツ語で「ワッデン海」を指す方言。
ワッデン海は、デンマーク、ドイツ、オランダの3カ国をまたぐ世界最大の干潟で、その全長は500km、面積は11,500㎢にも達します。6時間毎に訪れる潮の満ち引きにより、栄養分豊富で類まれな自然環境を有するワッデン海は、多種多様な生物の宝庫として2009年にユネスコ世界遺産に認定されています。

本作ダットワットリミテッドエディションIIは、このワット海の自然保護活動を行うワッデン海連邦事務局との2回目のコラボレーションモデルです。本モデルの売上の一部は同事務局の財政支援に充てられます。

ワッデン海
ワッデン海
引用:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Wadden_Sea.jpg

外観、デザイン

ダットワットリミテッドエディションII 文字盤

まず最初に目を奪われるのは独特なカラーニュアンスを持つグリーンの文字盤です。
公式HPの言葉を借りると、「ワッデン海の塩沼が光を反射する様子を彷彿する、ユニークなグリーン」とのこと。海と聞くと真っ先にブルーをイメージしてしまいがちですが、こんな柔らかで繊細な色合いのグリーンの海があるのですね。いつかこの目でワッデン海の色彩を見てみたいと思わせる、魅力的なカラーリングだと思います。ダイアル下部から上部にかけてグラデーションがかかってグリーンが薄くなっていくのも、遠浅の海であるワッデン海を思わせる美しい色彩の変化を表すよう。

このモデルのムーブメントにはサーキュラーデイトインディケーターという、珍しいモジュールが組み込まれてます。これにより腕時計の日付表示で一般的なデイトウィンドウでの日付表示ではなく、ダイアル内に円状に配された日付をインディケーターが指し示す形式で日付表示を行います。この円状のインディケーターが文字盤全体の間伸び感を抑え、デザイン上のメリハリも生み出していると感じました。
私は通常のアクイス43.5mm版のダイアルに若干間伸びした印象を持ってしまうので、サーキュラーデイトインディケーターがあった方が好みなデザインです。

オリス ダットワットリミテッドエディションII スモールセコンド
サーキュラーデイトインディケーターとシンプルなスモールセコンド

また、9時位置にはスモールセコンドが配されており、デザインのアクセントになっているのも見逃せないポイント。
シンプルなデザインなので、文字盤内がゴチャついた見た目にはなっていません。ダイアル内に慎ましく、ちょこんと佇んでいて可愛らしいですね。

インデックスは、長辺の二辺だけがアプライドされたデザイン。ただの直線のアプライドではなく、文字盤中心に近い部分は傾斜がついているので、キラキラと光を反射し、立体感ある仕上げになっています。アクイス全体に漂う柔らかな印象に違わず、インデックスも鋭角ではなく丸みを帯びた形をしています。

ダットワットリミテッドエディションII 針
太く視認性の良い針

針はペンシル針に近い形状で、スーパールミノバ加工(BG W9)がたっぷり塗られています。太い針は視認性の良さをしっかり確保しつつ、アルファ針のような針の根元部分にくびれもあり若干のドレッシーさも感じる、よくデザインされた針だと思います。
強いて言えば、少々のっぺりした印象も拭えないので、針の高級感が上がるとより格上の雰囲気を醸し出す腕時計になるのではないでしょうか。

ベゼルに目を移すと、グレーの回転ベゼルの色味が文字盤の淡いグリーンとよくマッチして、統一感よくデザインがまとまっています。このベゼル、珍しいタングステン製。ダイヤモンドに次ぐ非常に高い硬度を誇り、傷はもちろん、熱にも強い頑強な素材が使用されています。

重量感はあるものの良好な着用感

公式HPに重量の記載がないので正確な重量はわかりませんが、比較的重めの腕時計だと感じました。
元々43.5mmの大きめのケースであることに加え、回転ベゼルに使われている素材が金属の中でも非常に重いタングステンなので、必然的に重量を上げる一因となっているかもしれません。
厚みもあるので、見た目と手に取った重量だけから推し量るに着用感がよさそうには思えませんでした。

ダットワットリミテッドエディションII 着用感 厚み
厚みはそこそこある。


しかし、手首に乗せてみると、予想に反し着用感は良好
ラグが太く短く急勾配で傾斜しているので腕に沿うように密着。重さに対する配慮がデザインに落とし込まれていると感じました。
ラグ一体型のブレスレットもバックルに向かってテーパードしていき気持ちの良い装着感でした。

ダットワットリミテッドエディションII ブレスレット 
ブレスレットのテーパードが美しく、装着感も良い

スペックは一般的、パワーリザーブはもう一歩か

スペックは以下の通り。

主なスペック

  • 素材:マルチピースステンレススチールケース、タングステン製ミニッツスケール付トップリング
  • 風防:サファイア、両面ドームシェイプ、内面無反射コーティング
  • 防水性:30 気圧
  • ケースバック:ステンレススチール、ねじ込み式、特別な刻印
  • リューズ:ステンレス スティール製ネジ込み式
  • ムーブメント:Oris 743, SW 220-1ベース
  • 振動数:28,800振動、4 Hz
  • パワーリザーブ:38時間
  • その他:替えブルーラバーストラップ、ストラップ交換ツール

スペックの太字部分はこのモデルのスペシャル感を感じる部分かもしれませんが、正直、スペックの観点から言うと「他モデルを凌駕する内容にはないかな」というのが私の感じたところです。

特にパワーリザーブに関しては改善をお願いしたい部分ですね。
昨今では10万円、20万円代でパワーリザーブ70時間超の腕時計を販売するブランドもある中で、38時間は短いと言わざるを得ないかと。

オリスは、高耐磁性と5日間パワーリザーブを誇る自社ムーブメント「 キャリバー400 」をすでにラインナップに有しています。もちろんムーブメントのクオリティが上がれば、それに応じて価格も上がるのは致し方ありません。
しかし、ダットワットリミテッドエディションIIは2009本の限定モデル。限定モデルであればムーブメントも自社最高レベルで仕上げてスペシャル感満載でも良いような気もします。
キャリバー400搭載の通常盤のアクイスがCHF 3 500.00(約58.5万円)、一方のダットワットリミテッドエディションIIはCHF 2 900.00(約48.5万円)。通常モデルより安価ですからね。
※2023年11月21日現在の為替レート

ただ、ダットワットはその色味から、メインの腕時計として使われることをあまり想定していないのかもしれません。複数モデルを持つ方のコレクションの一部、または気分転換時に使用されるサブ機として使われるのであれば、長いパワーリザーブは必要なく、価格を抑えたモデルの方が消費者の食指が伸びやすいかもしれません。

どんな人におすすめ?

ダットワットリミテッドエディションIIはどんな方におすすめできるでしょう?

43.5mm径の割と大型ケースで厚みもあるので、薄くて軽い腕時計が好きな方はこの点に難を感じてしまうかもしれません。
かといって、ダイバーズウォッチのタフさや無骨さに溢れる外観がお好きな方には、丸みあるケースデザインとグラデーションの効いた淡く柔らかなグリーンの文字盤は、「方向性が少々違うかなぁ」と思われます。

文字盤の色味も相まり軽やかな雰囲気がある腕時計なので、ゴリゴリの男くさい服装などには合いにくいでしょう。

また、決して”普通”の色味の文字盤ではないので、どんなシチュエーションにも使える万能選手とはなりにくいかと。ですので、腕時計は一本だけでオールマイティに使いたい方へもおすすめはしにくいですね。

そう考えていくと、都会的な洗練されたデザインの腕時計が好みで、かつ、腕時計を複数お持ちの方の、”外しの一本”や”気分転換用”的な立ち位置の時計としておすすめできるかもしれません。趣味性が比較的強い部類の腕時計ではあると思います。

ダットワットリミテッドエディションII 着用
ダイアルカラーは一般的ではないので、オールマイティな使用より、外しや気分転換の時に活躍してくれそう。

まとめ

ダットワットリミテッドエディションIIは、私にとって初めて腕を通したオリスの腕時計。
最近グリーン文字盤に興味が出てきていることもあって、限定版の当モデルを試着してみました。試着しながらショーケースに並ぶラインナップを眺めていて思ったのは、「オリスってなんだかワクワク気持ちが上がる腕時計を作るブランドだな」ということ。
何がそう思わせるのか言語化することが難しいのですが、オリスで働く皆さんが腕時計を形にしていく過程を楽しんでいる様子が目に浮かぶ、そんな感覚を味あわせてくれるブランドだなと思います。

ダットワットリミテッドエディションIIは、世界遺産であるワット海の自然保護活動を行うワッデン海連邦事務局とのコラボレーションモデル。自分自身もポジティブな気持ちにさせてくれるオリスの腕時計を通じて自然保護にも貢献できる、と。
まぁ、実際はそこを主目的に腕時計を買われる方は少ないとは思いますが、自分の物欲を満たすだけではなく社会的意義も果たせるところは今の時代にふさわしいモデルかもしれません。
文字盤の色味が非常に美しいので、ぜひ一度ブティックで実機を見てみてください。

ダットワットリミテッドエディションII ダイアル

-腕時計レビュー
-, ,