腕時計レビュー

チューダー ブラックベイ54 使用2ヶ月でわかったこと

2023年7月15日

本サイトはアフィリエイト広告プログラムを利用しています。

Tudor Black Bay 54, 2 month

チューダー ブラックベイ54 を購入してから約2ヶ月が経ちました。
一目惚れの衝動を抑えられずに購入したブラックベイ54でしたが、この2ヶ月はオンオフ問わず高頻度で着用をしています。

まだまだ恋は盲目状態かもしれませんが、少し冷静にこの腕時計を見れるようになってきたので、自身の振り返りの意味も込め、改めてこの腕時計に対して感じたことをご紹介させていただきます。

薄い・軽い、が、小さくない

ブラックベイ54の厚みは11.24ミリ、重さは私の16cm強の手首に合わせた状態で約125g。

ダイバーズウォッチはその用途から堅牢性が求められるので、ことさら厚く重くなりがちですが、ブラックベイ54にはゴツさはあまり感じません。

11.24ミリの薄さは、回転ベゼルやドーム型の風防込みなので、体感的にはもっと薄く感じます。
ワイシャツの袖口にも干渉しにくいので、職場でも違和感なく使用ができています。

薄さ、軽さもさることながら、この時計の最も”推し”の特徴は、なんといっても37ミリ径のケースサイズ。
現代のダイバーズウォッチとしてはかなり小振りですし、ダイバーズでなくても、男性が使用する時計としては比較的小さいサイズになるかと思います。

しかし、このスペック数値上の小ささに反し、感覚的には37ミリより大きく見えます。
決して華奢な時計を着けている印象は与えません。

小さいのに大きく見えるのはなぜか?

ケース径は小さくなったものの、39ミリ径のブラックベイ58と同じくラグ幅は20ミリ。
そのため、ケースからブレスレットにかけてのラグ周りの絞りが緩やか、かつ、直線的なので、全体的にケースデザインが幅広な”四角”に見えるのです。

このずんぐりしたトノー型に近いケースデザインによって、小径ながら存在感のある腕時計に仕上がっているのかもしれません。

ブラックベイ58と並べて比較するとケース形状の違いがはっきりわかります。

T-fitクラスプは便利この上なし、だが・・

私は手首が16cm程度と細めということもあり、金属ブレスの腕時計だとちょうど良いフィット感に長さを調整するのに苦労します。
すでに調整済みの腕時計なのに、コマを足したり抜いたり、6時側と12時側でコマ数を変えてみたり、あーでもないこーでもないと、しょっちゅうブレスレット調整に奮闘しています。

コマ調整でしか長さを変えられないブレスレットの場合、一コマや半コマの抜き足しでは、きつ過ぎ・ゆる過ぎの壁にぶち当たることも多々あり。

クラスプに微調整用の穴があれば調整はしやすいですが、むくみや気温、汗ばみ方などによってランダムに変化する手首径や着用感に対応するには、常に調整用工具や代替可能な道具を手元に持っていなければなりません。
それは辛いし、現実的に難しい。

そうした課題を一挙に取り去ってくれるのが、チューダーの「T-fitクラスプ」。
5段階、最大8ミリの調整が可能で、ものの2〜3秒で工具なしでできてしまします。

昨今はこうした微調整機構を搭載したクラスプを他社も実用化していっていますが、ブラックベイ54と同価格帯の中では、利便性や操作性の点で右に出る者はいないのではないでしょうか。

ブラックベイ54は、私にとっては初めての微調整機構付きクラスプを持つ腕時計でした。
これまでフィット感調整に苦労してきた身としては、この機構が嬉しくて、楽しくてたまりません。
日に何度も1段階緩めたりキツくしたりして、その時々の最高のフィット感を模索して楽しんでいます。

ただ、不満とまでいかないものの、一点気になるのは、クラスプの長さ
私の手首が細いからなだけなのですが、クラスプの板が長いので、装着時に100%腕と接せず、2-3ミリ腕と接することなく浮いた状態になります。

それによって装着感が悪いわけではないのですが、
100%腕に接する長さであれば更に装着感は良かったのかな、とは思うところです。

精度は抜群

ブラックベイ54のムーブメントは自社製キャリバーMT 5400。
クロノメーター認証取得、70時間パワーリザーブの高精度ムーブメントです。

クロノメーター基準は日差ー4秒〜+6秒。
一方、私のブラックベイ54は大体−1秒強の日差で安定しています。

夜寝る時以外はほぼずっと装着した状態で、1週間の日差を確認したところ、結果は約ー9秒でした。
平均日差にして、約1.28秒の遅れ。

欲を言えばプラスに進んでもらえれば調整も楽でしたが、文句のつけようのない高精度です。

デザインは思った以上に”渋め”、程よい高級感が日常使いに◎

ブラックベイ54は、チューダーの初代ダイバーズウォッチとして1954年に発表された「Ref. 7922」の復刻モデル。
7922のデザインコードを忠実に踏襲しつつ、現代の技術力でブラッシュアップを図られたデザインとなっています。

復刻モデルだけあって、腕時計が放つ雰囲気はビンテージ感溢れ、クラシカルな佇まい。
古き良き、という言葉が似合いそうな渋めな印象を与える腕時計です。

試着もしていたので、渋めなことは購入前からわかっていました。
ですが、使い始めてからというもの、ふとした瞬間に試着時の印象よりさらに渋さを感じることがあります。

最もその渋さを感じさせるのが、5分毎の目盛りのみのシンプルな回転ベゼル。
多くのダイバーズウォッチが、回転ベゼルでより細かく経過時間を確認できるよう、
ベゼル上には1分毎など細かくハッシュマークが設置されています。

比較的シンプルなモデルでも、0分〜15分までは1分刻みのハッシュマークがあることが一般的。そのため、たとえ黒いベゼルであっても目盛り多い分だけ黒色の占める面積が小さくなります。

一方のブラックベイ54の回転ベゼルは、簡素な5分毎の目盛りのみ。
経過時間を示す数字のフォントも、細めで主張は控えめ。ブラックベイ58と異なり文字の色もシルバーで、夜光ドットの赤い差し色もありません。
これすなわち、相対的に”黒”が占める面積が増えるとともに、ステンレスや文字のシルバー色と黒が中心のモノトーンな色使いになっています。

また、回転ベゼルはセラミックではなくアルミ製。
セラミックに見られるキラキラとした光沢感はなく、マットでしっとりした見た目です。

このベゼルのマットさも思った以上でした。
手持ちの腕時計で、アルミ製ベゼルを持つオリエント カマスと比べても、色が黒ということもあってかブラックベイ54のベゼルの方が光沢感なくマットです。


ケースやブレスレットも、サテン仕上げ中心で煌びやかさはありません。
文字盤もブラックで、サンレイ加工などもなくマット。
ギルト加工のダイアルや針も、茶色っぽいゴールドで派手な印象はありません。

このように華美な部分が抑えられ、マットで黒い部分が多いベゼルも相まって、パッと見だと少々”暗く”見えます。

ですが、決して”地味”ではない
ツール色が強すぎることもなく、しっかりと高級感も持ち合わせています。

これは、ケースとブレスレット側面のポリッシュ仕上げが効いているのでしょう。
ケースのエッジや回転ベゼルの側面にも、丁寧にポリッシュ仕上げが施されているので、斜めから見た時には一瞬の煌めきを放つのです。
ただし、ギラついた感じはないので、日常使いで悪目立ちするということはありません。

ミニマルな落ち着きの中に時折見せる輝き。
クールで渋い魅力が心地よい腕時計だと思います。

末長く育てていける時計

ブラックベイ54を購入したのは半ば衝動買いに近いものでした。
なんでこんなに惹かれたのだろうと、日々使いながら考えた結果、私に刺さった魅力は以下かもしれません。

・クラシカルなデザイン
・シンプルなデザイン
・道具としての実用性能が高い
・傷も”味”になる=育てる魅力がある
・長く使い続けられる(自分が歳を取っても)
・でも、程よく高級感もある

私は元々、経年変化で自分だけの一品に育てていく、レザーやデニムのような製品が好きなのですが、特にレッドウィングなどのクラシカルなワークブーツが好きです。

そうしたブーツなどと同じく、ブラックベイ54も”育てていく楽しみ”がありそうだと感じています。
サテン仕上げが多用されているので、小傷も目立ちにくいですし、傷がついてもビンテージライクなこの腕時計なら、それも”味”となってさらに魅力を増していくと思います。
ビンテージものやレトロ感のある小物やファッションが好きな方には、”刺さる”魅力があるはずです。

また、そもそもこの腕時計は1954年のチューダーの初代ダイバーズのデザインを踏襲したもの。
それが現代でも人気を博していることから、すでに時代を超えた普遍性を持っていることは間違いないでしょう。

自分がもっと歳をとってジイさんになっても、ブラックベイ54なら違和感なく着けていられる、そんな予感を感じさせてくれる腕時計です。

一方で、私ももう30代後半のいい大人でもあるので、いくらクラシカルでツール色の強いものが好きでもTPOはしっかりと弁えていたいところ。

その点、ブラックベイ54ならば悪目立ちすることもなく、適度に高級感もあるので安心して使用できる機会は多いと思います。
やっぱり、好きなものはどんどん使っていきたいですから、使えるシーンが多いのは嬉しい限りです。

チューダー ブラックベイ54、レッドウィング ブーツ


ブラックベイ54 2ヶ月使用レビュー まとめ

以上、ブラックベイ54を約2ヶ月使用してきた中で感じたことでした。

まとめると、
・薄く軽いが耐水性も高く、微調整可能なクラスプもあり、実用性能が高い
・37ミリの小径で細腕にも最適だが、数字以上に存在感はある
・精度は文句なし
・ビンテージ感ある渋い魅力の小物やファッションが好きな人に刺さるデザイン。
・歳をとっても違和感なく、末長く使っていけそう


この時計と出会えたので、とりあえず一旦は私の中でダイバーズウォッチは一区切りついたかなと思っています。(あくまで一旦・・・笑)

次は、、ドレスウォッチかクロノグラフかな。。。

-腕時計レビュー
-,