日本を代表する腕時計ブランド、オリエントの人気ダイバーズデザインウォッチであるマコシリーズ。
そのマコシリーズより、2023年10月26日に『Orient Mako(オリエントマコ)40』が登場しました。
私も普段カマス(マコ2)を愛用しているので、非常に興味を持った作品です。
従来のシリーズでは初代は43.6mm、以降は41.8mmのケース径でしたが、新発売のオリエントマコ40はサイズダウンされた39.9mm径。昨今の腕時計の小型化の潮流とともに、男性用・女性用という明確な境界も薄れている今の時代にふさわしいモデル投入ですね。
国内外で話題のマコ40ですが、日本ではダイアルカラーが黒・白の2色展開ですが、実は海外では日本未発売のカラー展開もあり、バリエーションは5色。
日本では黒・白以外の実機を見るのは難しいですが、私の暮らす国では5色展開されているのでお店で実機を確認してきました。
こんな皆さんの参考に
- オリエントの腕時計に興味がある
- 40mm以下の小径ダイバーズやスポーツウォッチを探している
- フィールドウォッチやツールウォッチのデザインが好き
- リーズナブルな腕時計が欲しいが、安物買いの銭失いにはなりたくない
- セイコー、シチズンなど他の国産腕時計とは少し違う雰囲気の腕時計が欲しい
- マコ40の海外モデルの情報を知りたい
それでは、早速レビューをしていきたいと思います。
外観・デザイン
オリエント マコ40のデザインコンセプトは、“コンパクト”、“シンプル”、“ライト(軽快感)”。
プレスリリースでは本作を、「スポーティなダイバースタイルを基本にしながら、コンパクトな 39.9mm ケースとシンプルなデザインを採用し、男女共に日常使いやファッションコーディネートに最適なカジュアルウオッチ」と表現されています。
従来のマコシリーズを単にサイズダウンしたものではなく、新しいコンセプトのもとにデザインを再構築されたということですね。
コンパクト
従来のマコシリーズのケースサイズは、横43.6mmまたは41.8mm。対してマコ40は39.9mm径。
マコ40 と銘打っていますが、40mm切っています。
ケース径のダウンサイジングとともに、ラグ幅も従来の22mmから20mmに変更されています。20mmだと交換できる社外製ストラップの選択肢も増えるので、色々着せ替えできて楽しみも倍増ですね。
しかし、意外にもラグからラグの縦の長さはほとんど変わらず、旧シリーズの41.8mmモデルは縦46.8mmに対し新作は46.5mm。
実際に試着した際も、旧作と比べてそれほど大きくサイズダウンした印象を受けませんでした。小さくなっているのは確かにわかるのですが、縦サイズがあまり変更されていないことで存在感はしっかり維持されていると思います。
シンプル
従来のマコシリーズはダイバーズウォッチのデザインコード※に忠実で、無骨なツール感が魅力の一つでもあります。一方のマコ40 は、旧作に比べてシンプルな面持ちにリデザインされで無骨さは軽減されました。
※旧シリーズ、マコ40ともにISO準拠のダイバーズウォッチではありません。
あくまでダイバーズウォッチのデザインをモチーフにした腕時計となります。
文字盤は、旧作までは日付・曜日のデイデイト表示でしたが、新作からは曜日表示は排され日付表示のみに。
針の形状も、従来はアルファ針やカマスと呼ばれるモデルに特徴的な鋭い針が使われていましたが、マコ40はシンプルはペンシル針。ほぼバトン針と呼べるくらいシンプルです。
インデックスも装飾や数字表記のないバーインデックス。
回転ベゼルは従来のシリーズのような色付きのベゼルではなく、ステンレススチールのベゼルに変更されました。これによりフィールドウォッチ感が出て、これまでのマコシリーズとは違った味がありますね。
ちなみに、ベゼル上のティップポイントの夜光塗料もなくなりました。(この点はコスト対策でしょう・・)
リューズガードもなくなり、見た目はすっきりしました。
ライト(軽快感)
ライトという表現は、実重量というよりデザインのコンセプトの意味合いのようです。公式HPやプレスリリースでもわざわざ(軽快感)としているのは、大きく軽量化されたと誤解を与えないための配慮かと。
それもそのはずで、実重量に関しては41.8mm径モデルがフルコマ169gに対して、マコ40は165gと4gしか変わりません。
このわずかな差でライトと言うと少々誇大表現になるので、”軽快感”の注釈は必要ですね。
デザイン面での軽快さはしっかりとモデルに反映されています。
サイズダウンしたケースサイズや、シンプルになった各所のデザインからも軽快感は感じ取れるでしょう。
秒針のカラーがイエローになったことで、ポップさも加わり文字盤の表情が華やぐのに一役かっています。
カラー展開も黒だけでなく白もラインナップ。
また、海外版ではさらにアプリコット、ネイビー、ライラックの3色も展開されており、ステンレススチールのブレスレットだけでなく、レザーストラップでの展開もされています。
海外版 実機
では、現状、海外だけで展開されているネイビー、ライラックのダイアルカラーを持つ実機をご紹介します。
色々お店を見てみたのですが、アプリコットはまだ実機を発見できておらず、見つけ次第ブログに追記をしたいと思います。
ネイビー
ネイビーはパッと見だと黒に見えるような、ダークネイビーでした。
恐らく屋外の強い日差しの下などではより明るい色に見えることでしょう。
ライラック
ライラックは、日本語だと”ムラサキハシドイ”。紫やピンクの色味が美しい花の名前です。
花の本物はこんな感じ。
オリエント マコ40のライラックカラーの実機は以下の通りです。
ライラックとアプリコットのダイアルカラーについては、ベルトはステンレススチールではなくレザー。
レザーの質感は柔らかく、使い始めから快適に使うことができそう。
ただ、厚みがないので長期間使用した際の耐久性には、少々不安がありそうでした。少々フェイクレザーのような人工的な質感でもあるので、高級感はあまりないかもしれません。
また、ベルトがNATOベルトのような仕様なので、ケースと腕の間にレザーベルトが挟まる形になります。しかし、もともとケース重心が少々腰高なので、ケースが腕から離れるとより一層重心が腕から離れ重さを感じてしまいそうな気もしました。
装着感
装着感は、手持ちの41.8mmサイズのカマスとほぼ同じ感覚でした。
むしろサイズが小さくなったことで、重さの分散範囲が減りギュッと凝縮されたような印象です。
上述の通りケース縦の長さが46.8mm→46.5mm、重さは169g→165gとあまり変わっていなません。
さらに、実は厚みは12.8mmと全く変わっていません。
この変わらぬ厚みゆえか、カマスと同様にケースの重心が少々高く、腕を動かしたりして遠心力がかかる際に若干の重さを感じます。
スペック・仕上げのクオリティ・コストパフォーマンス
マコ40 は旧シリーズ同様、ハイコストパフォーマンス
スペックは基本的な部分は従来のマコシリーズと同様です。
20気圧生活強化防水、ねじ込み式リューズ、日差+25 秒~-15 秒の機械式ムーブメントを搭載。
風防はサファイアクリスタル(!)を使用し、ブレスレットは316Lステンレススチール。
メーカー定価:税込48,400円の腕時計としてはありえない高スペックを有したモデルです。
日差+25 秒~-15 秒などは、セイコーで言ったら6R系のムーブメントの日差と同じです。しかし、6R系ムーブメントを積んだラインナップに5万円以下のモデルはありません。
また、旧シリーズと比べると、仕上げも改良がされている気がしました。
正面はサテン仕上げ、ケースやブレスレット側面はポリッシュ仕上げとなっていますが、ケースの造形が従来より「角が立っている」ような感じと言いますか、メリハリが増した印象を受けました。
参考として手持ちのマコ2の以下画像もあわせてご覧ください。
マコ40 ここがもう一歩か・・
マコ40で私が期待したことは、エンドリンクとケースの噛み合わせの改善。
手持ちのマコ2(カマス)で一番気になった欠点だったので、新作のマコ40では改善されていることを期待していました。
ただ、実機を見るにあまり改善はなかったようです。
エンドリンクとラグに若干の隙間が空いており、ケースとエンドリンクで段差もあります。正直、あまり工作精度の高さは感じられませんでした。
購入してもブレスレットは交換してしまうだろうなと思っています。
まとめ
従来のマコシリーズはレトロなダイバーズウォッチの雰囲気を持つシリーズでしたが、新作のマコ40は旧シリーズとは少々毛色が違う印象です。小型化されたサイズ感や、シンプルになったデザインは、ジェンダーレスでミニマルな嗜好を持つ層にも刺さる作品になったように思います。
基本となるスペックは、相変わらず価格に見合わぬ高いレベルを維持されています。色々なメーカーが値上げ値上げで価格を上げていっている中、オリエントの腕時計はリーズナブルな価格維持されており、メーカーの企業努力を感じますね。
機能面で言ったら日常生活では必要十分以上のスペック。
見た目も決して安っぽくはないので、腕時計にそれほど興味のない方にはこれ一本でも十分に役割を果たしてくれるでしょう。
逆に腕時計好きな方にとっては、マコ40が腕時計選びの試金石になるのではないでしょうか?
つまり、マコ40の値段でこのクオリティは作れてしまう事実を踏まえ、他の腕時計のクオリティを見てみると、メーカーがどこにコストをかけて腕時計を作っているのか、価格とスペック・仕上げのレベルが釣り合っているか、など比較検討しやすくなるかもしれません。
ダイバーズウォッチやフィールドウォッチが好きな方には刺さる要素の多い腕時計なのは間違いありません。
少しでも興味が湧いたら実際にお店で実機を手に取ってチェックしてみてください!
まとめ
- “コンパクト”、“シンプル”、“ライト(軽快感)”をコンセプトにリデザインされた新マコシリーズ
- サイズ:横39.9mm×縦46.5mm×厚さ12.8mm
- 20気圧日常生活強化防水
- 旧マコシリーズとは異なり、ベゼルはステンレススチールに変更され、全体的にシンプルなデザインに変更。
- 風防はサファイアクリスタル使用
- 装着感は旧作とあまり変わらず。若干ヘッドが重く、腕を動かすと重みを感じる。
- 日本は黒、白の2色展開、海外は黒、白、ダークネイビー、ライラック、アプリコットの5色展開。
- 詳細スペックは公式HPをご覧ください